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アレカヤシの育て方と選び方
Dypsis lutescens

細い葉が涼しげに広がる、リゾートのような雰囲気の大型のヤシ。犬・猫に対して非毒性とされているので、「大きな鉢がほしいけれどペットが心配」という部屋の主役候補です。
犬・猫にとって毒性が低いとされている種類です。とはいえ、かじられて困るのは植物の方なので、 落ち着ける場所に置いてあげてください。
| 耐陰性(暗い場所への強さ) | 2 / 5 |
|---|---|
| 日ざしへの強さ | 4 / 5 |
| ズボラ耐性(水やり忘れへの強さ) | 3 / 5 |
| 虫のつきにくさ | 2 / 5 |
| インテリアとしての存在感 | 5 / 5 |
アレカヤシってどんな植物?
アレカヤシはマダガスカル生まれのヤシで、細い葉が根元からいくつも立ち上がって、 上のほうでふわっと外側に広がります。ホテルのロビーやカフェの隅に置いてある、 あの「なんとなく南国っぽい空気」を作っている木、と言えば伝わるでしょうか。 私は正直、はじめて名前を知ったとき「あ、あれアレカヤシっていうんだ」と思いました。 それくらい、見たことはあるのに名前は知られていない植物だと思います。
このサイトでアレカヤシを紹介することにしたのには、はっきりした理由があります。犬・猫に対して非毒性とされている大型の観葉植物だからです。 部屋の主役になるサイズの植物というと、どうしてもモンステラのようなサトイモ科が 候補に挙がるのですが、あの仲間はペットが口にすると刺激になる成分を持っています。 「大きい鉢がほしい、でもうちには猫がいる」という人にとって、 アレカヤシはかなり数少ない選択肢のひとつです。
もうひとつ、育てるうえで知っておくと得なのが乾燥に強いこと。 ヤシの仲間らしく、水をやりすぎるより少し乾かし気味のほうが調子がいいです。 大きい鉢って水やりが大変そうに見えますが、実際はそこまで手がかかりません。
置き場所:レース越しの明るさがちょうどいい
いちばん向いているのは、明るいけれど直射日光は当たらない場所です。 レースのカーテン越しの窓ぎわ、というやつですね。 真夏の直射日光にいきなり当てると、細い葉の先から茶色く焼けてしまいます。 ベランダに出したいときは、日陰から少しずつ慣らしてあげてください。
逆に、暗すぎる場所も得意ではありません。このサイトの評価では耐陰性は5段階で2。 ガジュマルと同じで「日当たりが悪い部屋の第一候補」にはならない側です。 光が足りないと葉の色が薄くなって、株全体がだらんと開いてしまいます。 北向きの部屋に置きたい場合は、正直に言うとペペロミアやポトスのほうが お互い幸せだと思います。
寒さは苦手で、目安は5℃くらいまで。冬に窓ぎわへ置きっぱなしにすると、 夜のあいだに冷えて葉先が傷むことがあります。冬の夜だけ部屋の内側に寄せる。 これだけでずいぶん違います。
水やり:やりすぎないほうが、ずっとうまくいきます
アレカヤシで枯らしてしまう原因は、ほとんどが水のやりすぎです。 大きい鉢は土の量も多く、いちど水を含むとなかなか乾きません。 そこへ「大きいからたくさん要るだろう」と水をやると、根が常に濡れた状態になって傷みます。
- 春〜夏: 土の表面が乾いて、指を2〜3cm入れても乾いていたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり
- 秋〜冬: 生長がゆるむので、ぐっと控えめに。乾いてから数日おいてやるくらいで十分です
- 受け皿の水は毎回捨てる: 溜めっぱなしは根腐れとコバエの元。ここだけは横着しないでください
そのかわり、葉水(葉に霧吹きで水をかけること)はこまめにやってあげてください。 アレカヤシは空気の乾燥に弱く、乾くとハダニが出ます。 土は乾かし気味、葉は湿らせ気味。慣れるまでは少しちぐはぐに感じますが、 「根は乾かす、葉は潤す」と覚えると迷いません。
鉢と土:大きい株ほど、鉢底の穴が効いてきます
選ぶなら鉢底に穴があいている鉢+受け皿。 おしゃれな穴なしの鉢カバーに直接植えると、水の逃げ場がなくなって根腐れします。 見ためを取りたいときは、穴あき鉢に植えたものを鉢カバーに「入れる」形にすれば両立できます。 アレカヤシは土の量が多いぶん、この差がはっきり出ます。
土は観葉植物用の培養土で十分ですが、水はけを良くしたいので、 赤玉土や軽石を1〜2割ほど混ぜておくと安心です。 植え替えは2年に1回くらい、ひとまわり大きい鉢へ。 背が高くなるので、倒れにくい重めの鉢を選んでおくと後がラクです。 私は軽い鉢を選んで、掃除機をかけるたびにヒヤッとした経験があります。
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正直に書きます。アレカヤシは、このサイトの8種のなかでは虫のつきにくさが低いほう(5段階で2)です。 理由ははっきりしていて、乾燥するとハダニがつきやすいから。 細い葉が何十枚も重なっているので、いちど広がると取り除くのが少し面倒です。
- ハダニ — 葉の裏に赤や黄色の細かい点。表から見ると白っぽくかすれてきます。 対策は葉水。ハダニは水が苦手なので、霧吹きを習慣にするだけでかなり防げます
- コバエ(キノコバエ) — 土が湿りっぱなしだと出ます。 アレカヤシは乾かし気味に育てるので、水やりの間隔さえ守っていればそこまで気になりません
- カイガラムシ — 葉の付け根に白いつぶつぶが付いたらこれ。 綿棒や歯ブラシでこそげ落とすのが確実です
エアコンの効いた部屋は、ハダニにとってはかなり快適な環境です。 夏と冬こそ葉水、と覚えておいてください。 虫の見分け方と対処はこちらに詳しくまとめました:観葉植物の虫対策ガイド。
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冒頭にも書いたとおり、アレカヤシはASPCA(米国動物虐待防止協会)などの資料で犬・猫に対して非毒性と分類されています。 海外の分類にもとづく情報なので「絶対に安全」と言い切ることはできませんが、 少なくとも毒性を理由に候補から外す必要はない種類です。
ただ、細い葉が床近くまで垂れてくるので、猫にとってはちょうどいいおもちゃに 見えるかもしれません。毒性が低いといっても、かじられて困るのは植物のほうです。 葉先が茶色くちぎれてくるようなら、少し高い台に乗せてあげてください。 ペットと植物の付き合い方はペットに安全な観葉植物の選び方に まとめています。
インテリアとしての飾り方
アレカヤシは葉が横に大きく広がるので、床置きで、まわりに余白のある場所に 置くといちばん映えます。部屋の角、ソファの横、窓とテレビ台のあいだ。 白い壁を背にすると、細い葉のシルエットがきれいに出ます。
- 鉢カバーで印象が決まります。 ラタンやジュートのかごに入れるとリゾート寄りに、 マットな白やセメント調にすると落ち着いたモダンな雰囲気に振れます。 プラスチックの緑の鉢のまま置かない、というのがいちばんの近道です
- 「壁ぎわに寄せすぎない」のがコツ。 葉が広がる植物なので、 壁に押しつけると片側だけ葉がつぶれて、形が崩れていきます。 鉢を数か月ごとに回してあげると、全方向にきれいに開きます
- 下葉が茶色くなったら切っていい。 古い葉から順に色が抜けていくのは自然なことです。 根元から切ってしまったほうが、株全体がすっきり見えます
こんな人に向いています
大きめの観葉植物がほしい人、ペットと安全に暮らしたい人。
- 大きく育ち、部屋にリゾート感のある存在感を出せる
- 犬・猫に対して非毒性とされている(ASPCA)
- 乾燥気味の管理を好み、水のやりすぎにさえ注意すれば育てやすい
逆に、置ける場所が暗めだったり、そこまで大きい鉢は置けないという場合は、 同じくペットに安全とされているペペロミアやチランジアのほうが合うかもしれません。 ペットのことは気にしなくてよくて、とにかく部屋の主役がほしいならモンステラもどうぞ。