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観葉植物の肥料、選び方と与え方|「与えすぎ」が実は一番多い失敗

観葉植物を育てはじめたころ、私は肥料のことがまるで分かっていませんでした。それでも「あげたほうが元気に育つはず」という気持ちだけはあって、思い出したときに、しかも多めに与えていたんです。ところが元気になるどころか、葉先から茶色く枯れ込んできて、あのときは本当にうろたえました。肥料は、足りないことより与えすぎるほうがずっとこわい。ここでは私の失敗も含めて、種類の選び方・与える時期・やってはいけない与え方をまとめます。
そもそも、肥料は「元気を出す薬」ではありません
最初に、私がいちばん誤解していたことを書いておきます。 肥料は、弱った植物を元気にする薬ではありません。元気に育っている株が、もっと育つための材料です。
だから、葉の色が悪いときや元気がないときに肥料を足すのは、じつは逆効果になりがちです。 そういうときの原因はたいてい水のやりすぎ・日照不足・根詰まりのほうにあって、 そこへ肥料を入れても弱った根に追い打ちをかけるだけなんですよね。 私はまさにこれをやって、余計に弱らせました。
元気がない原因の切り分けは観葉植物、初心者がやりがちなNG行動6つにまとめています。 肥料を足すか迷ったら、先にそちらを一周してみてください。
液体肥料と置き肥、どっちを選べばいい?
お店で売っている肥料は、大きく分けると液体肥料と置き肥の2種類です。 成分の違いというより、効き方とお世話の手間が違うと考えるとすっきりします。
液体肥料 — 効き目が速く、量を調整しやすい
水で薄めて、水やりのついでに与えるタイプです。 根からすぐ吸われるので効き目が速く、そのぶん効果が続く期間は短い(2週間ほど)。 生長期に、水やり何回かに1回ずつ与えるのが基本の使い方になります。
いいところは、濃さも回数も自分で決められることです。 「今年はよく伸びているからもう少し」「最近元気がないから今回は飛ばそう」と、 株の様子を見ながら加減できます。 薄めるのが面倒な人には、そのまま注げるストレートタイプや、 土に挿しておくアンプルタイプもあります。
逆に難しいのは、濃さを間違えやすいところ。 「効きが速いなら濃くすれば早く育つのでは」と考えてしまうと、次の章の肥料焼けに直行します。 容器に書かれた倍率は必ず守ってください。というより、書いてある倍率よりさらに薄いくらいがちょうどいいです。
Amazonで「観葉植物用の液体肥料」を見る置き肥 — 土の上に置くだけ。じわじわ長く効く
粒状の肥料を土の表面に置いておくだけのタイプです。 水やりのたびに少しずつ溶け出して、1〜2か月かけてじわじわ効きます。 置いたことを忘れていても勝手に効いてくれるので、手間はほとんどかかりません。
そして初心者にとって大きいのが、濃さを間違えようがないことです。 説明書きに「6号鉢なら何粒」と書いてあるので、その数を置くだけ。 液体肥料のように「気持ち濃いめに」という余地が無いぶん、失敗しにくいんです。 私も、まず置き肥に切り替えてから肥料の事故がぱたりと止まりました。
弱点は、効きはじめたあとに加減できないこと。 「ちょっと効きすぎたかも」と思ったときは、粒を取り除いてしばらく様子を見ます。 あと、土の表面に置くタイプは種類によってはコバエが寄ることもあるので、 虫が苦手なら化成肥料タイプ(有機質を含まないもの)を選ぶと安心です。
Amazonで「観葉植物用の置き肥」を見る迷ったら、まず置き肥から
向き不向きをひとことでまとめると、こうなります。
- まず失敗したくない人・お世話の回数を増やしたくない人は置き肥。生長期の初めに規定の数を置いて、効果が切れるころにもう一度置く。それだけで十分です
- 株の様子を見ながら育ちを調整したい人は液体肥料。水やりのついでに与えられるので、こまめに世話をするのが好きな人には手になじみます
もちろん併用もできますが、そのときは合計が多くなりすぎないように。 置き肥をしている鉢に液体肥料を足すなら、回数はぐっと減らしてください。
ちなみにチランジア(エアプランツ)のように土を使わない植物は、肥料の与え方も別枠です。 与えるとしても、ごく薄めた液体肥料を霧吹きに混ぜて月1回ほど。 詳しくはチランジア(エアプランツ)の記事のほうに書いています。
与えるのは春から秋だけ。冬は基本、いりません
種類選びより大事かもしれないのが、時期です。 観葉植物の多くは春から秋(おおよそ5〜9月)が生長期で、 肥料が要るのはこの期間だけ。裏を返せば、冬は基本的に与えなくていいということになります。
寒くなると、観葉植物はほとんど生長を止めて休んでいる状態になります。 根も水や養分をあまり吸わなくなるので、 そこへ肥料を与えても使われないまま土の中に残ります。 残った肥料分は土に溜まっていき、やがて根を傷める原因になる。 つまり冬の肥料は「効かない」のではなく、マイナスになりうるんです。
私も一度、冬に葉の色が冴えないのが気になって肥料を与えたことがあります。 当然のように何も変わらず、春になってから土を掘ったら粒がそのまま残っていました。 あれを見て、季節を無視した肥料はただのゴミなんだと納得しました。
与えはじめる合図は、カレンダーより新芽です。 暖かくなって新しい葉が動き出したら、そこから始めれば間に合います。 秋は逆に、10月ごろを最後にして、それ以降は足さずに冬へ送り出してあげてください。
季節ごとの水やりの間隔や置き場所は観葉植物の夏越し・冬越しガイドにまとめています。 冬に元気が無いように見えるのは休んでいるだけ、ということも多いので、 肥料を足す前にこちらを確かめてもらうほうが安全です。
ちなみにパキラやモンステラのように生長の早い種類は、 生長期に肥料を与えると葉の出方がはっきり変わるので、効果を実感しやすいです。 肥料の練習台にするなら、この手の育ちの早い株が向いていると思います。
与えすぎると何が起きるか — 「肥料焼け」の話
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。 肥料は多いほど育つ、というのははっきり間違いでした。
土の中の肥料分が濃くなりすぎると、 根は水を吸うどころか逆に水を奪われます。 浸透圧という仕組みのせいなのですが、要するに水やりをしているのに水を吸えない状態になるわけです。 これが「肥料焼け」と呼ばれるもので、症状は次のように出ます。
- 葉先や葉のふちが茶色くカサカサに枯れ込む(水切れとよく似た見た目になります)
- 下葉から黄色くなって落ちる
- 新しい葉が小さい・出てこない
- 土の表面に白い粉のようなもの(肥料分)が浮く
私が最初にやらかしたのは、まさにこれでした。 元気が無いように見えたパキラに「栄養が足りないんだ」と肥料を足し、 変化が無いのでもう一度足し、それでも変わらないのでさらに濃くして……。 葉先が茶色くなってきたときも「まだ足りないのかも」と思っていたのだから、 今思い返すと本当に申し訳ないことをしました。
やっかいなのは、いったん傷んだ葉は元に戻らないことです。 茶色くなった葉先が緑に戻ることはありません。 できるのは、これ以上進ませないことだけ。 やってしまったと気づいたら、こうします。
- 置き肥は取り除く。液体肥料はもちろん中止します
- 鉢底から流れ出るまで、たっぷり水を通す。土に溜まった肥料分を洗い流すイメージで、何回か繰り返します。 受け皿の水は必ず捨ててください
- 明るい日陰で、しばらくそっとしておく。ここで「回復させよう」と別の何かを足したくなりますが、それが一番いけません
そして結論としては、疑わしきは与えない。 足りない肥料は後からいくらでも足せますが、与えすぎたぶんは土から抜くのが大変です。 規定量の半分から始めて、株の様子を見て増やす。それくらい臆病でちょうどいいと思っています。
植え替えの直後だけは、与えないでください
時期が生長期であっても、肥料を与えてはいけないタイミングがあります。 その代表が植え替えの直後です。
植え替えのときは、どうしても根が多少なりとも傷みます。 水を吸う力が落ちているところに肥料を入れると、 さっきの肥料焼けと同じことが、より弱った状態で起きます。 人間でいえば、手術の直後にいきなり大盛りのごはんを出されるようなものです。
目安として、植え替えから2〜4週間ほどは肥料なし。 新しい葉が動き出して、根が新しい土に馴染んだのを確認してから始めれば十分です。 そもそも新しい培養土には、はじめから元肥(もとごえ)が入っているものが多いので、 植え替え直後の株は栄養が足りない状態ではありません。
植え替えの時期・頻度・そのあとの養生の仕方は観葉植物の植え替え、タイミングとやり方にまとめています。 「元気が無いから肥料」と考える前に、根詰まりのサインが出ていないかを見てもらえると、 私と同じ遠回りをせずに済むはずです。
ほかに与えないほうがいいのは、次のようなときです。
- 買ってきた直後(環境に慣れるまで1〜2週間はそっとしておく)
- 土がカラカラに乾いているとき(濃い肥料分が直接根に触れます。先に水をやってから)
- 弱っている・葉を落としているとき(原因は栄養不足ではないことがほとんどです)
肥料の前に、部屋に合った一鉢を選びたいなら
ここまで書いてきて改めて思うのですが、 観葉植物のお世話でいちばん効くのは足すことより、余計なことをしないことでした。 そしてそれは、部屋の環境に合った種類を選んでおくと、ずっと楽になります。
4つの質問の診断では、日当たりとお世話にかけられる手間から、 向いている種類を出します。1分もかかりません。よかったら試してみてください。