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観葉植物の植え替え、タイミングとやり方|根詰まりのサインと手順

いつも通り水をやっているのに、なんだか葉の色が冴えない。その状態を「夏バテかな」くらいに思って半年ほど放っておいたら、鉢底の穴から根がはみ出していました。土の中で根が行き場を失っていたと知ったときは、気づいてあげられなかったのが申し訳なくて、しばらく鉢の前で固まってしまいました。植え替えは、そうなる前に鉢の中の窮屈さをリセットしてあげる作業です。私が見落としたサインも含めて、時期・頻度・やり方をまとめました。
まずは、根詰まりのサインを3つ
植え替えが必要かどうかは、カレンダーより株そのものが教えてくれます。 しかもそのサインは、どれも地味です。派手にしおれたりしないので、 私のように「気のせいかな」で流してしまいがちなんですよね。 次の3つのどれかに当てはまったら、鉢の中がそろそろ窮屈になっていると思ってください。
① 鉢底の穴から根が出てきている
いちばん分かりやすいサインです。行き場を失った根が、 出口を求めて鉢底の穴から外へはみ出してくる。 土の表面に根がとぐろを巻いて見えてきた場合も同じ意味です。
たまに鉢を持ち上げて、底をのぞいてみてください。 水やりのついでに一度ひっくり返して見るだけなので、30秒もかかりません。 私はこれを半年サボって、根がはみ出しているのに気づけませんでした。
② 水をやっても、なかなか土に染み込まない
鉢の中が根でいっぱいになると、水を蓄えておく土のスペースが減ります。 そうすると、水をやったときに表面でいったん溜まって、じわじわとしか下りていかない。 逆に、やった水がほとんど土に留まらずすーっと鉢底から抜けていく場合も、 土が痩せて隙間だらけになっているサインです。
「前はこんなに時間がかからなかったのにな」と感じたら、それが合図です。 毎日世話をしている人ほど、この変化には気づけると思います。
③ 葉の色が悪くなってきた(黄色・茶色に変色する)
根が伸びられず、水も養分も十分に吸えなくなると、それが葉に出ます。 下のほうの葉から黄色っぽくなる、葉先が茶色くカサつく、 新しい葉が前より小さい。株全体がなんとなく元気がない、という漠然とした印象のこともあります。
ただし葉の色が悪くなる原因は、根詰まりだけとは限りません。水のやりすぎ・日照不足・ 虫がついている、といった可能性もあります。まず①と②を確かめて、 どちらも当てはまらないようなら初心者がやりがちなNG行動6つや観葉植物の虫対策ガイドのほうを疑ってみてください。
時期は「春から夏」。真冬だけは避けてください
植え替えは、株にとってはそれなりに大きな手術です。 根はどうしても多少傷みますし、環境も変わります。 だから植物に体力がある時期にやるのが基本になります。
観葉植物の多くは春から夏(おおよそ5〜9月)が生長期です。 この時期なら、傷んだ根のかわりに新しい根をどんどん伸ばしてくれるので、 植え替えのダメージから早く立ち直ります。 実際、生長期に植え替えた株は、しばらくすると新芽を出して 「引っ越し、気に入ってくれたかな」と嬉しくなることが多いです。
反対に真冬(12〜2月)は避けてください。 寒い時期の観葉植物はほとんど生長が止まっていて、いわば休んでいる状態です。 そこで根を触ってしまうと、傷んだぶんを回復できないまま春まで耐えることになります。 冬に根詰まりのサインが出てしまったときは、水やりを控えめにしてやり過ごし、暖かくなるのを待ってから植え替えるほうが安全です。
冬の水やりの間隔や置き場所は観葉植物の夏越し・冬越しガイドにまとめています。 「春まで待つ」と決めたら、それまでの数か月はこちらのほうが役に立つはずです。
頻度は2〜3年に1回。ただしサインが出たら待たない
どのくらいの間隔でやればいいのかというと、目安は2〜3年に1回です。 毎年やる必要はありません。むしろ、元気に育っている株を頻繁に掘り返すほうが負担になります。
ただしこれはあくまで目安なので、前の章のサインが出ていたら年数を待たなくて大丈夫です。 生長の早い株なら1年で鉢がいっぱいになることもありますし、 ゆっくり育つ株なら3年経っても余裕があります。 カレンダーより、鉢底と水の染み込み方を信じてください。
買ってきたばかりの株も、じつは早めの植え替え候補です。 お店の鉢はあくまで流通のための仮住まいで、 根が回りきっていることが珍しくありません。 迎えてから1〜2週間ほど部屋の環境に慣らして、生長期であればそのまま植え替えてしまうと、 そのあとが楽になります。
ちなみにチランジア(エアプランツ)は土も鉢も使わないので、植え替えという作業そのものがありません。 「鉢のことも土のことも考えたくない」という人には、こういう選択肢もあります。
植え替えのやり方
ここからは実際の手順です。といっても、やることは4つだけ。 汚れるので、床に新聞紙かレジャーシートを敷いてから始めると気が楽です。 私はいつも、ベランダに新聞紙を広げてやっています。
① 一回り大きい鉢と、新しい土を用意する
鉢はいまの鉢より一回り大きいものを選びます。 号数でいえば1〜2号(直径で3〜6cmほど)上まで。 「どうせ育つんだから」と大きすぎる鉢に植えると、 根の届かない土がいつまでも湿ったままになって、今度は根腐れの原因になります。 もの足りないくらいでちょうどいい、と覚えておいてください。
素材ごとの水の乾き方の違いや、号数の見方、鉢カバーとの組み合わせ方はおしゃれな鉢・プランターの選び方に詳しく書きました。 鉢からじっくり選びたい人は、先にそちらを読んでからのほうが失敗しません。
土は、迷ったら観葉植物用としてブレンドされた培養土で大丈夫です。 水はけと保水のバランスがあらかじめ調整されていて、そのまま使えます。 古い土を再利用したくなりますが、養分が抜けて固くなっているので、 ここは新しい土に替えてあげてください。
Amazonで「観葉植物用の土」を見るそれと鉢底ネット。底穴から土が流れ出るのを防ぐ、あの小さな網です。 数十円のものですが、これが無いと水やりのたびに受け皿が土で汚れますし、 穴から虫が入り込む入口にもなります。まとめ買いしておくと安心です。
Amazonで「鉢底ネット」を見る② 鉢から抜いて、根鉢をやさしくほぐす
鉢を横に倒して、株の根元を持ってゆっくり引き抜きます。 抜けないときは、鉢の側面を手でぐるりと押してやると外れやすくなります。 無理に引っ張ると茎から折れるので、そこだけは慌てないでください。
抜けたら、根と土が固まった塊——根鉢が出てきます。 ここでいちばん大事なのが、根鉢を崩しすぎないこと。 古い土を全部落としてきれいにしたくなるのですが、 そうすると細かい根がごっそり切れて、株が水を吸えなくなります。 私は最初の植え替えでこれをやって、そのあと2週間くらい葉をしおれさせてしまいました。
やるのは、肩と底のまわりを指で軽くほぐして、古い土を3分の1ほど落とすくらい。 そのとき、黒く傷んでいる根やドロッとした根があれば、そこだけ切り取ります。 健康な根は白っぽくて張りがあるので、見分けはそんなに難しくありません。 手でちぎるより、切れ味のいい剪定バサミで切ったほうが断面がきれいで、 そこから傷みにくいです。
Amazonで「剪定バサミ」を見る③ 新しい土を入れて植え直す
新しい鉢の底に鉢底ネットを敷き、深さのある鉢なら鉢底石を軽く入れます。 その上に新しい土を数センチ入れて、株を置いてみて高さを合わせます。 このとき、鉢のふちから2〜3cmほど下に土の表面が来るようにしてください。 この隙間(ウォータースペース)が無いと、水やりのたびに土ごと溢れます。
高さが決まったら、株を支えながらまわりに土を足していきます。 ぎゅうぎゅうに押し固める必要はありません。 鉢を軽くトントンと持ち上げて落とすだけで、 根のあいだの隙間に土が入っていきます。 表面をならして、株がぐらつかなければ完成です。
④ 最後にたっぷり水をやる
植え終わったら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水をやります。 ここは遠慮しないでください。この水やりには、土に隙間なく水を行き渡らせて、 根と新しい土を密着させる意味があります。
流れ出た水が受け皿に溜まったままだと、せっかくの植え替えが根腐れで台無しなので、受け皿の水は必ず捨てる。ここまでが1セットです。
植え替えたあとの2〜3週間が、いちばん大事です
無事に植え終わると、つい「よし、これで元気になるはず」と気合いが入って、 日当たりのいい場所に置いて水をたっぷりやりたくなります。 でも、ここでの正解はむしろ何もしないことです。
植え替え直後の株は、根が少なからずダメージを受けていて、水を吸う力が落ちています。 人間でいえば手術のあとの安静期間のようなもの。この時期に気をつけるのは2つだけです。
- 直射日光を避けて、明るい日陰で養生させる。強い日ざしに当たると葉から水がどんどん蒸発しますが、根はそれに追いつけません。 レースカーテン越しの光か、風通しのいい明るい日陰に2〜3週間ほど置いてあげてください
- 水やりはいつもより控えめに。吸う力が落ちているので、いつもと同じ頻度でやると土が乾かず根腐れに向かいます。 植え替え直後のたっぷり1回のあとは、土の表面がしっかり乾いてから次をやるくらいで十分です
しばらくすると、新しい葉が出てきます。そうなったら根が新しい土に馴染んだ証拠なので、 いつもの置き場所へ戻して、いつものお世話に戻して大丈夫です。 私はこの新芽が出た瞬間がいちばん好きで、毎回ちょっとほっとします。
この時期に肥料を足すのもやめておいてください。 傷んだ根に濃い肥料分が触れると、かえって水を吸えなくなります。 新しい培養土にはたいてい元肥が入っているので、そもそも足りない状態ではありません。 再開の目安や種類の選び方は観葉植物の肥料、選び方と与え方のほうに書きました。
植え替えのあとに葉が1〜2枚落ちることがありますが、環境が変わったことへの反応で、 株全体が元気なら過度に心配しなくて大丈夫です。 ただ、株ごとぐらついている・葉が次々に落ちるという場合は、 植える深さや水やりの量を見直してみてください。
そもそも、どの一鉢にするか迷っているなら
植え替えは、迎えた一鉢と長く付き合っていくための作業です。 裏を返せば、最初に選ぶ一鉢が部屋の環境に合っていれば、そのあとがぐっと楽になります。
4つの質問の診断では、部屋の日当たりとお世話にかけられる手間から、 向いている種類を出します。1分もかかりません。よかったら試してみてください。