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観葉植物の剪定・切り戻し、タイミングとやり方|伸びすぎ・徒長を放っておくと起きること

枝を切るのが、私はずっとこわかったんです。せっかく伸びてくれたのに切るなんてかわいそうな気がして、間のびした茎をそのままにしていました。でもある日、下のほうの葉がぱらぱら落ちて、ひょろ長い茎の先にだけ葉がついた妙な姿になっているのに気づいて、さすがにはさみを持ちました。切ってしばらくしてから、切り口の少し下で新しい芽がふたつ動きだしたときの安心感は、今でもよく覚えています。剪定は植物を傷つける作業ではなく、形と勢いを取り戻してもらうための手入れでした。ここでは切りどきの見きわめ方と、失敗しにくい切り方をまとめます。
こうなっていたら切りどきです — 4つのサイン
剪定は「決まった日にやる作業」ではありません。 株のほうから「そろそろ切ってほしい」というサインが出ます。 私が実際に見落としていたものも含めて、分かりやすい4つを挙げておきます。
- 茎が間のびして、葉と葉の間隔が空いてきた(徒長)。光が足りないと、植物は少しでも明るいほうへ届こうとして茎だけを伸ばします。 その結果、細く頼りない茎に葉がまばらについた姿になります
- 下のほうの葉が落ちて、茎だけになっている。根元がすかすかで、先端にだけ葉が残っている状態です。 放っておいても下から葉は戻ってきません
- 枝が一方向にだけ伸びて、樹形が崩れている。窓に向かってかたよって伸びるのはよくあることで、 鉢の向きを変えるだけでは追いつかないところまで来たら切りどきです
- 枯れた葉・変色した葉・傷んだ枝が残っている。見た目の問題だけでなく、傷んだ部分は虫や病気の足がかりになります
ひとつめの徒長は、切って直しても原因が置き場所にあるなら、また同じことが起きます。 ここは私が何度もやり直したところです。切るのと同時に、置き場所も一段明るいところへ動かしてください。
「うちの部屋、そもそも明るさが足りているのかな」と気になったら、日当たりが悪い部屋でも育つ観葉植物まとめもあわせてどうぞ。 暗さに強い種でも、暗すぎれば徒長はします。
伸び方は種類によって違います
ひとくちに「伸びすぎ」といっても、つる性か木立ち性かで見え方がまるで違います。 紹介している8種のなかから、両極端の2つを例に出しておきます。
- ポトスのようなつる性は「長さ」に出ます。耐陰性が5段階で5と高い種でも、暗い場所に長く置くと つるだけがひょろひょろ伸びて葉がまばらになります。 好きな長さで切って、こんもりした姿に戻してあげてください
- ガジュマルのような木立ち性は「かたより」に出ます。日ざしを好むわりに耐陰性は5段階で2なので、 光の来る側にだけ枝を伸ばしがちです。幸いこの種は「生命力が強く、多少切り戻しても回復しやすい」というくらいなので、思いきって切って大丈夫です。切ったところから枝分かれして、かえって好みの形に育てられます
それぞれの性質(耐陰性・日ざしへの強さ・水やり頻度)は植物図鑑にまとめています。 切る前に、自分の育てている種がどちらのタイプかを確かめておくと迷いません。
時期は「春から夏」。真冬は切らないでください
観葉植物の多くは春から夏(おおよそ5〜9月)が生長期です。 このあいだは切られた側の回復が早く、切り口の下から新しい芽が動きだすまでもあっという間。切る作業は、株に体力がある時期にやるのが鉄則です。
逆に真冬(12〜2月)は避けてください。 生長がほとんど止まっている時期に切ると、傷口をふさぐ力も新芽を出す力も足りず、 切ったところから傷んだまま春を待つことになります。 私は一度、冬に見かねて切ってしまい、切り口が黒ずんだまま何か月も動かない枝を眺めるはめになりました。 あれは本当に気が重かったです。
冬に「さすがに伸びすぎでは」と思っても、そこはこらえて春まで待つ。 枯れた葉を取り除くくらいなら冬でも構いませんが、生きている枝を切るのは暖かくなってからにしてください。
季節ごとの水やり・置き場所の変え方は観葉植物の夏越し・冬越しガイドにまとめています。 「冬は休ませる」という考え方は観葉植物の肥料ガイドとも共通です。
基本のやり方は、3つだけ守れば大丈夫
やり方そのものは驚くほど単純です。難しい理屈より、次の3点のほうが結果を左右します。
- 清潔な、よく切れる刃物を使う。これがいちばん大事です。汚れた刃は切り口から雑菌を入れてしまいますし、 切れ味の悪いはさみは茎をつぶします。つぶれた切り口はふさがるのが遅く、そこから傷みます。 使う前にアルコールで拭くだけでも十分違います
- 節(葉の付け根)のすぐ上で切る。新しい芽は節から出るので、節を残さない切り方をすると、 その枝はもう芽を出せません。節の5mmほど上、が目安です。 逆に節から離れたところで切ると、残った茎の先が枯れ込んで見た目が悪くなります
- 一度に切りすぎない。葉は栄養をつくる場所なので、まとめて落とすと株が回復する力そのものを削ってしまいます。全体の3分の1くらいまでを目安にして、 足りなければ新芽が動いてからもう一度切る。この二段構えが安全です
切る場所に迷ったら、「どこから新しい枝を出してほしいか」から逆算すると決まります。 切った節のすぐ下あたりから芽が動くので、 低い位置でこんもりさせたいなら思いきって低く、 高さを残したいなら残したい高さの節で切る。それだけです。
種類によっては、切るときに樹液そのものに気をつける必要があります。 たとえばガジュマル。クワ科イチジク属で、切り口から出る白い樹液が皮膚や口内を刺激することがあります。剪定時の樹液にも注意してください。手についたら洗い流し、切った枝はペットが届かないところで片付けてください。 ペットと暮らしている場合の植物選びはペットに安全な観葉植物の選び方にまとめています。
切った枝は捨てないで。もう1鉢になります
ここが剪定のいちばん楽しいところだと私は思っています。 切り落とした枝は、そのままゴミ袋に入れる必要がありません。節を含んだ元気な枝は、水に挿しておくだけで根が出て、新しい株になります。
「切るのがかわいそう」という気持ちが消えたのは、これを知ってからでした。 減るのではなく増えるのだと分かった瞬間、はさみを入れる手が急に軽くなったんです。 切った枝を挿したコップを窓辺に並べておくのも、なかなかいい眺めです。
水挿し・挿し木の具体的なやり方(水の替え方、土へ移すタイミング)は観葉植物の増やし方ガイドにまとめました。 剪定した日にそのまま始められるので、切る前に読んでおくと無駄がありません。
剪定のあとにやりがちな失敗
- 「元気を出させよう」と肥料を与える。切った直後の株は葉が減っていて、栄養を使いきれません。 新芽が動きだすまでは肥料なしで待ってください (詳しくは観葉植物の肥料ガイド)
- いつもどおりの量の水をやり続ける。葉が減ると、株が吸い上げる水も減ります。 同じペースで与えると土が乾かず、根腐れの原因になります。 土の表面の乾き具合を見て、少し間隔を空けてあげてください
- 切ったあとすぐに直射日光へ出す。切り口がふさがるまでは無理をさせない。 明るい日陰で数週間ようすを見てから、いつもの場所に戻すくらいで十分です
切ってもすっきりしないときは、鉢の中を疑ってください
ちゃんと切ったのに新芽が動かない、切ってもまたひょろひょろの枝しか出てこない。 そういうときは、地上ではなく土の中が原因のことがあります。 根が鉢いっぱいに回っていると、どれだけ枝を整えても新しい芽を育てる余力が出ません。
鉢底の穴から根が出ている、水をやっても土に染み込まない。 そんなサインが出ていたら、剪定より先に植え替えのほうが効きます。 ただし剪定と植え替えを同じ日にまとめてやるのはおすすめしません。 どちらも株には負担で、いっぺんにやると回復にかかる時間が伸びます。 どちらかを先にして、新芽が動くのを見届けてからもう一方へ進んでください。
根詰まりのサインと植え替えの手順は観葉植物の植え替え、タイミングとやり方にまとめています。
そもそも伸びすぎない一鉢を選びたいなら
徒長は、置き場所と植物の相性が合っていないときに起きやすくなります。 「切っても切っても、また間のびする」という状態が続くなら、 その場所にはもう少し暗さに強い種のほうが合っているのかもしれません。4つの質問の診断で、部屋の環境に合う植物を見直してみてください。